ある大会社オーナー親族の小さな案件

久々の仕事の話。

今日はありがたいことに、不動産売却の仲介業務で、丸ノ内の某会社オーナーの親族のご自宅に訪問する機会があった。

案件自体は、数百万の一軒家の売却だったのだが、その所有者が資産3,000億の企業グループのオーナーの親族というだけあって、ご自宅は滅多にお目にかかれない豪華な作りをしていた。

まず、敷地周りの塀は全周ボーダータイルで貼りつくされ、各所にセコムの防犯カメラが設置されていた。オートロックが解除され一歩足を踏み入れると、そこは中庭を囲む回廊となっており、ガラス張りの壁をとおして中央に光庭を見ることができる。その回廊を半周する途中にガレージがあり、停まっている車は赤い車だったがエンブレムからフェラーリであることを示していた。ガレージには他にも数台の高級車が格納されているようだった。回廊の途中で靴を脱いで大理石貼りの床に上がり、その中央に位置するシンボリックな階段を昇っていくと、これまたモダンで開放的な大理石貼りのフロアが待っていた。視界に入るオープンな作りの各部屋には、それぞれゆったりとテーブルやソファーなどが並べられていて、どの部屋もこだわりが感じられた。そしてそのうちの一つ、片隅に大きな水槽が見える15畳ほどのリビングに案内された。

そこで、本日の目的である業務を遂行して行くのだが、時折交わす他愛もない会話のなかに、御親族の気さくな人柄を感じ取ることができた。

不動産の仕事をやっていると、資産家の持つゆとりを感じる機会が多くあるが、やはり、こういう方々はなるべくして資産家になっているのだとつくづく実感させられる。

このような資産家の方々と接した後には、なぜか自信をもらえた気になるのが不思議なところである。