コロナ患者かもしれない②

昨日の続き…。

熱が下がって、ホッとしたまでは良かったが、ここで次の問題が出てきた。

おそらく、これまでの経過から、我が子は「夏かぜ」との判断を下したまでは良かったが、これを、第三者(=会社の上長)にどう説明するかである。

保健所からは、農耕接触の疑いがなければPCR検査は受けられないと言われ、かかりつけの医者には、コロナ感染予防から極力来ないでくれと言われ、まさに宙ぶらりんの状態になってしまった。

コロナになればコロナ感染者という結果が出るが、検査が受けられない以上、コロナ感染者でないことの証明ができない状態。

自分の体調も何一つ変わらず快調なのだから、すぐにでも仕事に復帰して給っている仕事を片付けたいところだが、自分がコロナでないことの証明ができない状態では出勤ができないのである。

結局、丸一日、家にいることしかできなかった。夕方に、上長に我が子の快方状況を説明して出社許可を懇願したが、「社内ではいまこの話題でザワザワしているので少し時間を空けた方が良い」とのことで、許可が下りなかった。

「なんということだ!」

もう、社内で自分はコロナ感染者第一号ということになっている。まさに「風評被害」だった。

たしかに、傍からみれば、子供が発熱して会社を休んだとなったら、敏感な時期なだけにもう濃厚接触者確定と思ってしまうのは仕方がない。

状況証拠だけで、自分はコロナ感染者第一号のレッテルを張られたようなものだ。

「1日くらい黙って出勤していれば、結果的にはそのまま何事もなく出社できていたはずなのに、良かれと思っていち早く報告した結果がこれだ」と後悔もした。

「このまま、2週間も仕事を休まなければならないのか?」

腑に落ちないながらも、仕方なく「明日の朝、また状況を報告します」と言って連絡を終えた。

翌朝になると、我が子は既に元気で、「学校に行きたい」と言い出した。

学校からは意外なことに「すぐに熱が下がったのなら登校してよい」と言われているらしく、かみさんも「なんでこんなことくらいで会社に行ってはいけないの」とブツブツ。

「この判断基準の違いは何なんだ?」と疑問に感じながらも、まだのどの痛みが残っているということで学校は休ませた。

しかし、元気になった我が子は家の中で走り回り、不安な自分をよそに「パパ、遊ぼうよ」とくるのだが、当然そんな気分になれないわけで、上長にこの状況を伝えると、さすがに違和感を感じたらしく、社内で協議をしたらしい。

我が子の回復ぶりから、コロナではなさそうだということはやっとわかってもらえたので、あとは私の体調が問題ないかどうか聞いてきたため、「何も変わりません、いたって元気ですよ」と元気よく返事をしたら、少し時間をおいてから「わかったから、もう会社に来てもよい」とようやく出社許可が出た。

我が子は残念そうだったが、私はすぐにスーツに着替え、一日半ぶりに会社に向かった。

「出勤できることがありがたい」と改めて実感したのだが、別な意味でコロナの恐ろしさを実感した出来事だった。

コロナ患者かも知れない①

一昨日の早朝、子供が熱を出した。どうやら頭も痛いようだ。

隣で寝ていたの妻と子のやり取りがうつらうつら聞こえていたが、体温計の数字を読み上げた子の言葉を聞いた瞬間、眠気を纏っていた自分の頭が、一気に目覚めた。

「38度2分…」

まさに寝耳に水だった。

勤務先からは、家族でも体温が37.5度を超えた場合、直ちに上長に報告し支持を仰ぐようにとの通達が出ていたからである。

頭の痛みがかなりあるらしく、ウーン、ウーンとうめき声をあげる我が子をみて、冷静を保っていられるわけがなかった。

同時に、頭の中で高速シミュレーションが始まっていた。

今すぐ、第一報を入れるべきかどうか?

前日の夜に、夏風邪をひく可能性について妻と話していたことを思い出した。

学校から雨に濡れて帰ってきて、しかも頭が少し痛かったにも関わらず、そのまま遊びに行っていたらしい。そして翌日に案の定、熱を出した。

つまりコロナではなく夏風邪であるという可能性が一つ。

しかし、仮にこのまま黙っていて、通常通り出勤したあとで、万一コロナに感染していたことが判明した場合、それこそ大勢に迷惑をかけることになる。

結局、上長に一報を入れることにした。

早朝だったため、LINEで一報を入れた。

30分ほどして返事があり、当然、「今日は休んでほしい」との回答。

仕方なく、会社を休んだものの、最近リモートワークも解除され、家で仕事ができるような準備はすべて解消してしまったため、電話を掛ける程度のことしかできなかった。

さて、会社を休むことになったが、これから何をすべきか?

ネットで調べると、厚生労働省のサイトやら、市のサイトやら、いろいろ書いてあり、結局のところ我が子の場合、PCR検査を受けられる基準を満たしていないことが分かった。

そうこうしているうちに、結局昼過ぎには子供は熱も下がってしまい、ホッと一息。

ところが、このあと状況説明を求められることになったことで、想定外の事態が起こることになった。

つづく…